「鴉博士」の絵? マツに向かって飛ぶ2匹 神社で見つかる

2023.12.09
地域歴史

於久雲神社にある長井一禾とみられる作品=兵庫県丹波市春日町上三井庄で

カラスの絵を描き続け、大隈重信から「鴉(からす)博士」の称号を与えられた日本画家、長井一禾(いっか)が描いたとみられる作品が、兵庫県丹波市春日町上三井庄の於久雲(おくも)神社の敷地内にある建物で見つかり、地域住民の関心を集めている。

額を含めて縦70センチ、横140センチほどで、2羽のカラスがマツに向かって飛んでいる絵。建物内の壁に掲げられている。

稱念寺(同市青垣町佐治)でこのほど開かれた長井の作品展を鑑賞した氏子が、同神社に掲げられている絵と似ていることに気づいた。

丹波市文化財保護審議会委員の山内順子さんが確認したところ、作風や落款が長井の作品と酷似していたという。

山内さんによると、同神社は1937年(昭和12)に改修した記録がある。同年、長井は綾部市の楞厳(りょうごん)寺に滞在していた。距離的に近い位置におり、山内さんは改修記念として氏子が長井に制作を依頼したのではと推測している。

このほど、地元の観光ボランティアガイドグループ「お福ちゃんガイドの会」が研修を兼ね、氏子や山内さんと共に絵を鑑賞した。山内さんは「長く掲げられており、地域の人に大切にされてきたことがうかがえる」と話している。

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