情報詰まった標本ずらり 生き物の「ナゼ」に迫る 「未来に受け継ぎたい」

2023.12.18
地域自然

さまざまな標本が並ぶ展示会場=兵庫県丹波市氷上町石生で

地域に残る動植物の標本などを展示する企画展「標本大集合 いきもののナゼにせまる」が、兵庫県丹波市の氷上回廊水分れフィールドミュージアムで開かれている。さまざまなタイプの標本が並ぶほか、標本から分かる情報の紹介、地元の柏原高校理科部が同校に眠る70年以上前の植物標本をデジタル化したパネルなどが展示されている。来年2月12日まで。午前10時―午後5時。

シカやイノシシの骨格標本のほか、昆虫の樹脂封入標本、アライグマの毛皮標本、スズメ目アトリ科のカワラヒワの羽根標本などが並ぶ。

多くの情報が読み取れる標本ならではの特徴を紹介したコーナーもある。複数のイノシシの頭骨を並べ、年齢の分析方法などを紹介している。

「柏原高校標本室お宝シリーズ」と題した一画では、30点以上の植物標本パネルなどを展示している。その多くは、同部OBで、同県立人と自然の博物館名誉館長の岩槻邦男さんが高校時代に作製した植物標本を、同部員が同博物館の技術でデジタル化したパネルを並べている。

同施設の担当職員は、「今、当たり前に見ている動植物が、見られなくなるときが来るかもしれない。これらの情報を残し、未来に受け継ぐのが博物館の役割。地域の自然を考える機会にしてほしい」と話している。

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