技術底上げへ合同練習 部員減少の中学軟式野球部 実戦形式で試合勘養う

2023.12.19
地域注目

 部員数の減少により、各校単独では実戦的な練習メニューが組みづらい兵庫県丹波市中学校の軟式野球部が、春日中学校での合同練習に汗を流した。各校の顧問が企画したもので、1、2年生部員ら計40人ほどが集い、ランナーをつけたノックで試合勘を養ったり、ポジションに特化した練習をこなしたりと、少人数ではできないメニューを体験した。2月末まで週1回のペースで集まり、全体的なレベルの底上げを図る。

氷上中の顧問で、同市中学校体育連盟の軟式野球副部長を務める松田慎吾さん(39)は、「大人数でできるメニューで技術を身に付けられれば」と狙いを語る。

部員数は、氷上13人、春日12人、山南9人、青垣7人、柏原4人。市島は昨年、廃部になった。青垣と柏原は現在、合同チームを組んでいる。

今秋の市新人大会では、エラーなどが重なって試合時間が長引いたゲームが複数あったという。また、各校とも少人数で活動しているため、人数を割いた実戦的なメニューは組みづらい状況にあり、一堂に会し練習することで、全体的な技術の底上げを狙うとともに、冬期間で短くなっている練習時間を補おうと企画した。

内外野、捕手のグループに分かれ、基礎的な練習をこなした後、ジャベリックスローなど多彩なメニューを体験。ランナーをつけたノックでは、アウトカウントや出塁状況などを細かく設定し、より試合に近い形で練習に励んだ。

市新人戦を制した山南中の監督、大西倫央さん(29)は、「山南は9人しかいないので、普段はパートごとの練習になる。活気があって良い練習ができている」と笑顔。柏原中の監督、松本雅史さん(25)は、「普段は部員4人の関わりでしかない。大人数だとチームとしてどう動くかなどを経験できる」と話した。

青垣中の足立奏介主将(2年)は「いつもはできる練習が限られている。他校の子と細かい部分までトレーニングできてうれしい」、柏原中の前田慶次主将(同)は「外野からのカットプレー、牽制球の練習などができ、レベルが上がりそう」と話していた。

少年野球が少子化で競技人口が減少、中学校で硬式野球クラブチームの選択肢もでき、中学軟式野球部の部員が少なくなっている。

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