スリッパそろえてます ロッテ・中森投手が地元凱旋 質問コーナーや球児たちにエールも

2024.01.18
地域注目

地元の少年野球の球児たちとともに記念撮影に臨む中森投手=兵庫県丹波篠山市黒岡で

兵庫県丹波篠山市出身で、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの中森俊介投手(21)がこのほど、地元に凱旋し、市民センターなどで今季の結果報告や応援への感謝を述べた。プロ初登板、初勝利を挙げ、クライマックスシリーズでも投げた右腕。来シーズンに向け、応援する地元の人たちの前で活躍を誓った。

市内の小、中学生の球児や地域住民ら約200人が詰めかけ、郷土が生んだプロ野球選手の言葉に耳を傾けた。高校時代や今季の登板などの映像も流され、子どもたちは、その球威に「やばっ」と顔を見合わせていた。

「マウンドでは緊張しないが、人前でしゃべる方が緊張する。素の自分が出ている感じがして、すごく恥ずかしい」とはにかんだ中森投手。プロ初勝利は、「自分の中では1歩目となる1勝。すごくうれしかった」と振り返り、「いつも寮で食べている篠山のお米のおかげ」と、会場を沸かせた。

質問コーナーもあり、「少年野球時代にどんなことを思って取り組んでいましたか?」「一番憧れている選手は?」などと相次いで質問が飛んだ。

中森投手は、「少年時代はとにかく野球をすることが大好きで、その時からプロになりたいと思っていた。兄と野球をして負けて悔しい思いをし、もっとうまくなりたいと思って毎日を過ごしていた」と言い、憧れの選手は、「ロッテなら佐々木朗希さん。野球界なら大谷翔平さん」と答えると、「おおー」と声が上がった。

「プロ野球選手はもてますか?」という質問には、「もてる人は、もてると思う。僕はもててはいない」と苦笑した。

また、中学生からの、「FA権を取ったら阪神に来てくれますか?」という質問には、「まずはFA権を取得できるように頑張りたい。阪神は強いので、個人としては強いチームを倒したいという思いがある」とはぐらかしつつ、「どこのファンですか?」と逆質問。生徒が「ち、ち、千葉ロッテ」と答えると、「お気遣いありがとう」と笑った。

大人からは、「大谷選手は人間性も素晴らしいが、中森投手は人間性を鍛えるために何かしていますか?」と質問があり、「簡単なことだけれど、高校の時からトイレのスリッパをそろえるようにしている。面倒くさいときもあるが、心の整理をするかのようにそろえている」と話した。

最後に野球に励む地元の子どもたちへのメッセージとして、「苦しいときにそばにいてくれる人を大切にしてほしい。中学時代の恩師に言われたのは、『個を強くすること』。心が弱い人はすぐに群がる。群がらずに自分の軸をしっかり持って生きていく。この言葉を、自分の人生のモットーにしようと決めた。皆さんもこれからいろんな人と出会う。出会いを大切にして、大好きな野球に取り組んで」とエールを送った。

サインボールなどがもらえるじゃんけん大会もあったほか、兵庫県丹波篠山デカンショ節保存会の小林真弓さんが中森投手のことを歌ったデカンショ節も披露した。

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