「人の一生記録する仕事」
丹波篠山市役所で出生届や死亡届、婚姻届などを受理し、適切に事務処理をする「戸籍事務」に従事して19年。長年の業務と手腕が評価され、このほど法務大臣から表彰を受けた。「本当に幸せ。難しい業務だが先輩や同僚の協力と、家族の支えがあったからこそ」と喜ぶ。今年度の同表彰は全国で95人、県内で5人。市発足後では3人目になる。
「地元に関わりながら力になれる職を」と、1996年、旧西紀町役場に入庁。以来、支所を中心に戸籍事務に従事してきた。市への合併前には戸籍のコンピューター化にも取り組み、2019年の市名変更時にも事務レベルでの調整に奔走した。
ただ届を受理すればいいという仕事ではなく、正しい届であるかどうかや、外国の人の婚姻などでは、国によって法令が異なるため、参考図書を読んだり、法務局に照会をかけたりするなどして適切な処理に心を砕く。「戸籍は人の一生を記録する仕事。絶対に間違いがあってはならないと、日々、緊張しながら取り組んできました」
市職員には異動がつきものだが、キャリアの大半を戸籍畑で過ごしており、「もともと専門職と言えるような仕事がしたかったので、長年、戸籍をさせていただいてありがたい」と感謝する。
その仕事のやりがいは、「窓口業務なので、直に市民の皆さんと関わる。おしかりを受けることもあるけれど、『ありがとう』と言ってもらえたときはうれしい」とほほ笑む。
モットーは、市民に気持ちよく帰ってもらうこと。「これからも常に適正な事務処理をし、緊張感を持って業務を続けていきたい」と気を引き締める。50歳。同市本郷出身。