長い間、押し入れで眠っていたり、理由があって手放さざるを得なくなったりしたひな人形が、宿場町の面影を残す兵庫県丹波市青垣町佐治で第二の人生を過ごす「丹波佐治福寄せ雛」が開かれている。テーマは「青垣の夏」。店舗など13会場で、それぞれの店で生き生きと働く姿を、ひな人形とミニチュア小道具で表現している。24日まで。
メイン会場の衣川會舘に「盆踊り」の太鼓櫓と、「流しそうめん」の樋を設置。木と段ボールで出来た高さ1メートルの櫓の四隅からちょうちんをつるし、法被に鉢巻き姿のひな人形が太鼓をたたくさまを表現。本物の竹の樋を並べ、竹のそばで麺を流す人形、すくって食べる人形を配置した。合わせて金魚すくい、ヨーヨー釣り、スイカ割りの様子も再現し、にぎやかな祭りを演出している。
実行委員13人で10月ごろから準備を始めた。メインの太鼓櫓担当は、子どものままごと遊びの家具を作るなど、小物作りが好きで実行委員になった徳永由実さん(同町桧倉)。「屋根が大変だった。制作費はあまりかかっていないが、手間がかかっている。小物を含め、細部まで見てもらえれば」と笑顔。実行委員で同イベントを誘致したNPO法人・佐治倶楽部理事の衣川百合香さんは、「夏がテーマで、ヒマワリと花火がほとんどの展示に仕込んであるので探してみて。青垣インターからの案内掲示を強化した。多くの人に楽しんでもらえれば」と話している。
愛知県名古屋市発祥の「福よせ雛プロジェクト」に参画している。期間中の土・日曜、祝日は飲食店が出店し、平日もセルフ喫茶コーナーを設けている。開催時間は午前10時―午後4時。入場無料。