日置宮司が振りかざすクマザサのしぶきを浴びる住民たち＝2024年4月29日午前9時13分、兵庫県丹波篠山市向井で

　兵庫県丹波篠山市向井の八幡神社で29日、無病息災、五穀豊穣などを祈る「湯立ての神事」が厳かに営まれた。住民約30人が参集。日置春雄宮司が桶に入れた熱湯に束ねたクマザサを浸し、頭（こうべ）を垂れた住民に向けて、クマザサについた湯を振りかけ、罪やけがれをはらった。しぶきを浴びた住民らはありがたそうに手を合わせていた。

　神事を終えると、お神酒と御供（ごく）の赤飯が振る舞われたほか、神事に使用したクマザサの束をほどき、住民一人ひとりに配られた。持ち帰り、玄関に飾るという。

　水井廉雄自治会長は、「年度初めの大切な神事。ことしもご利益があることを願いたい。つないでいきたい大切な村の伝統です」と話している。