「復興アジサイ」 10年前に豪雨被害の集落で見頃 住民丹精の大輪涼しげ

2024.06.21
丹波の豪雨災害丹波市地域注目自然

豪雨に見舞われた農地で鮮やかに咲き誇るアジサイ=兵庫県丹波市市島町中竹田市ノ貝で

兵庫県丹波市市島町中竹田市ノ貝集落の農園「ファーム市ノ貝」で、10年前の豪雨災害を機に栽培が始まった約800株のアジサイが見頃を迎えている。地元住民が試行錯誤を繰り返しながら栽培。復興の象徴とも言える涼しげな大輪が、農園一面に鮮やかに咲き誇っている。

同市の復興まちづくり事業で、同農園の会員が被災農地で栽培。収穫したアジサイは、プリザーブドフラワーを製造する同市の「大地農園」が買い取る。

昨年、専門家の指導や各地の農園の取り組みを参考にせん定方法を工夫し、収量が大幅に増加。今年も遮光ネットを増設したり、樹皮を発酵させた堆肥をまいたりして、収量増を目指した。

「最初は栽培素人ばかり。途中でやめようかと思ったこともあったが、10年でようやくここまで咲くようになった」と、同農園の塩見和広会長(70)。石川県能登半島地震の被災地に思いをはせ、「諦めず、苦労を積み重ねれば花が咲く」と話した。

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