家庭科で金融教育 高校生が資産運用学ぶ 三井住友銀行が協力

2024.07.08
地域注目

金融教育を行うSMBCコンシューマーファイナンスの田中さん=兵庫県丹波篠山市大熊で

兵庫県立篠山鳳鳴高校にこのほど、SMBCコンシューマーファイナンスの田中暁子さんと三井住友銀行篠山支店長の松岡雄志さんが訪れ、2年生の家庭科の授業で金融教育を行った。資産運用について語り、「株式投資ゲーム」も紹介。生徒たちは将来を見据え、金融について学びを深めていた。

田中さんは、「自分の資産を増やすために、資産を預貯金や投資に配分することが『資産運用』」と説明。投資は、仕事で得たお金とは別に「お金にも働いてもらうこと」とし、株式投資を紹介した。

また近年、投資が勧められている理由について、「金利8%だった1970年代は、100万円預けると1年で108万円になったが、2022年の金利0・002%では、100万20円にしかならない」と、低金利時代がその一つと説明。一方、「2006年から2021年で大学の授業料は16%も増え、カップ麺も15%増えた」と、もう一つの理由に物価上昇を上げ、「今後も3%ずつ上昇し続けると、今1000万円持っていても、20年後には553万円の価値になってしまう」とした。

投資体験ゲームでは、生徒たちが10万円の軍資金で「とあるゲーム会社」の株を年ごとに、▽買う▽売る▽何もしない―を選択。2018年に4万円だった株が19年に3万円と落ち込んだものの、20年に4万円、21年に7万円へ上昇し、生徒たちは株価変動に一喜一憂しながら、株式投資の一端を体験した。

この変動はコロナ禍による「巣ごもり」で、家でゲームをする人が増えたことを明かした田中さんは、「投資はギャンブルと思われることもあるが、世の中の動きを知ることで、『上がりそう』『下がりそう』と判断できる可能性があるため、ギャンブルではない。情報と予測で、ある程度リスクを下げられる」とした。

また、「皆さんも18歳になると成人。大人になるとお金を自分で管理しないといけないが、そのためには『知識』がすごく大事」と呼びかけた。

ゲームで利益を生んだ畠中翔汰さんと谷後煌さんは、「投資は運頼みのようで良いイメージがなかったけれど、きちんと分析すればいいんだと分かり興味が持てた。投資信託なら管理してもらえるので良いなと思った」と話していた。

2022年4月から新しい指導要領で家庭科に金融教育が盛り込まれたことから実施。資産運用などの金融教育は専門的な分野で、具体的な指導につなげることが難しいとされる中、同校は三井住友から社会貢献の一環で出前授業の提案を受け、初めて実施した。

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