子授けの御利益があるとされ、自宅に持ち帰って願い通りに子を授かれば元の場所に戻すという“暗黙のルール”がある兵庫県丹波篠山市川原の「子授け地蔵」。2021年、数十年ぶりに姿を消し、子宝を望む人のもとへ“出張”に出ていたが、今年5月、約3年ぶりに”帰宅”した。と思ったら、また出張へ―。
赤い前掛けなどが施された高さ40センチほどで、地蔵と名がつくものの顔などはなく、見た目は普通の石。5月に帰宅した際には、赤ちゃんを運ぶとされるコウノトリのグッズやお菓子などがたくさん供えられており、住民らは、「ほっこりした。もし赤ちゃんができたのなら、めでたいことや」と大喜びしていた。
その1カ月後の6月初め、再び”出張”へ。 持ち帰るときは誰にも言わなくてよく、住民も「誰だったのか」などと詮索はしないという習わし。住民らは、「お地蔵さん、大忙しや」と驚きながらも、帰宅の日を楽しみにしている。