先日上京の折、たまたま池袋のビルで行われていた行政刷新会議の「事業仕分け」第3弾を傍聴した。▼入った会場のテーマは「エネルギー対策特別会計」。休止中の高速増殖炉「もんじゅ」関連の核燃料サイクル利用の研究開発費が来年度概算要求で増額されていることが議論されていた。▼大事故で15年間運転していなかったもんじゅは今年5月に再開後、すぐまたトラブってストップ。これまでに1兆円近い資金を注ぎ込んでいる。仕分け人から「計画は大丈夫なのか」「やみくもに突き進むのは危険」などと集中砲火を浴びたが、その割りには評価は「10%削減」どまり。文科省の説明者の顔はほっとしたように見えた。▼お目当ての蓮舫大臣はこの時間、来なかったが、部屋は超満員で、200ほどの傍聴席に座れない人がいっぱい。関係業界の会社から送り込まれた風の人も目に付いたが、多くは、パンク寸前の国家財政を心配して来ているようだ。▼この作業には「民主党のパフォーマンス」「まるで公開処刑」「所詮は財務省の手のひらの上」と批判も多く、またさほどの削減効果も出ていない。しかし伏魔殿的な所も多い国の予算がどう作られ、使われているかを白日の下に晒す意義は確かにある。自治体でも導入していい。無論、仕分け人の能力も問われるが。(E)