「大蛇」退治 農村の奇祭「鱧切祭」 巨大なハモを”一刀両断”

2024.10.31
地域歴史

大蛇に見立てた鱧を退治する所作を見せる鱧切り役の白波瀬さんら=兵庫県丹波篠山市沢田で

兵庫県丹波篠山市の沢田公民館と北沢田みのり会館で、大蛇に見立てた大きな鱧を退治する所作がある沢田八幡神社の奇祭「鱧(ハモ)切祭」が行われた。鱧切り役が包丁で一刀両断する所作を見せると、集まった住民らから大きな拍手が起こった。

沢田公民館では、前沢田集落の人たちが車座になって歓談しているところに“大蛇”が近づいてきた雰囲気を、隣の調理場から戸を手でたたいて演出。2・5メートル、15キロある鱧が鱧切り役の白波瀬孝司さん(62)の前に差し出されると、包丁でしばらくなぞったり、酒を飲ませるふりをしたりした後、ぐるりと回転させて一刀両断にする様子を表現した。

両集落の同祭は共に市指定の無形民俗文化財。村に危害を加える沼地にすむ大蛇を退治することで村に平穏が戻ったと言い伝えられている。

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