兵庫県丹波篠山市内の田園地帯の空を舞う鳥の影。「誰だ!」とばかりに望遠レンズを向けると、野鳥「チョウゲンボウ」だ。丹波地域では冬鳥で、今年も繁殖地から帰ってきた。
鋭い爪とくちばしを持つ猛禽(もうきん)類で、全長約40センチ、翼を広げても約70センチと小柄。農耕地など開けた場所で見られ、上空をホバリングし、急降下しては野ネズミや小鳥、昆虫、カエルなどを捕食する。
撮影したのはおそらくメス。小型ながら辺りに愛らしくも鋭い眼光を向ける姿は猛禽らしい凛々しさがあり、その”ご帰還”に思わず、「おかえりなさいませ」と敬礼したくなる。
同日、日本の新ロケット「H3」が打ち上げに成功し、天に向かっていったが、目の前のチョウゲンボウはじっと地を見つめて獲物を探す。ゆっくりと、でも、確かに生き物たちの冬が近づいている。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)