写真・新属新種であることが明らかになった「ヒョウゴバトラクス・ワダイ」(左)と、「タンバトラクス・カワズ」の化石(県立人と自然の博物館提供)
県立人と自然の博物館(三田市)は2日、山南町上滝の篠山層群から見つかったカエルの全身骨格の化石2点がそれぞれ新属新種であることが明らかになったと発表した。「ヒョウゴバトラクス・ワダイ」「タンババトラクス・カワズ」という学名が付けられ、研究成果をまとめた論文がオランダの国際学術雑誌(電子版)に掲載された。
白亜紀前期(約1億1000万年前)の篠山層群からは、1000点を越えるカエル化石が見つかっている。このうち状態のよい2つの化石標本について調査研究した結果、新属新種であることが分かった。
全身が残るカエル化石は国内初で、世界的にも例が少ない。カエル類化石を新属新種として記載し、学名を付けることも国内初で、地道なクリーニング作業と研究が実を結んだ。
「ヒョウゴ―」は、2次発掘時(2007年11月―08年3月)に見つかった。「ヒョウゴ」は「兵庫」、「バトラクス」は「カエル」の意で、「ワダイ」は同化石の発見者で、クリーニングを行った同博物館技術職員の和田和美さんからとった。
「タンバ―」は、3次発掘時(08年11月―09年3月)に見つかった。「タンバ」は「丹波」、「カワズ」は古語の「蛙(かわず)」に由来する。
同博物館、県立大学特任助教で、論文執筆者の一人、池田忠広研究員は、「進化の過程を知る上で貴重な資料といえる」と話している。
同博物館は3月6日―4月10日、同化石2点と解説パネルを展示するコーナーを設ける。
“