元日本代表候補帰郷しホッケー指導 稲山巧さん(丹波篠山市)

2024.12.22
たんばのひと

稲山巧さん

「教え子の活躍楽しみ」

25歳でホッケー日本代表候補に選ばれ、26歳で引退。今春、「恩返しがしたい」と帰郷し、丹波篠山市のホッケークラブ「HC  HYOGO  HEARTS」で中学生男子を指導している。11月の「全日本中学生都道府県対抗11人制」で初入賞となる準優勝の陰の立役者となった。

小学2年生から兄の誠さんの影響で、同クラブ前身の篠山ジュニアホッケークラブに入部。「チームスポーツの面白さを感じた」。丹南中時代は、篠山中との合同チームの主将を務め、ミッドフィルダーで活躍。全国ベスト16入りに貢献した。U―16日本代表に選ばれ、オーストラリア遠征も経験。「海外選手の体の大きさやテクニックのうまさに圧倒された」。その頃から、A代表入りを意識するようになった。

強豪の天理高時代は、レギュラー争いが激しかったが、1年生から公式戦に出場。「壁をどう乗り越えるか、自分の強みをどう伸ばすかを考え抜いた」。天理大からはディフェンダーに転向。社会人を含めた全国大会では優勝に貢献した。U―21日本代表時にはインドでのジュニアワールドカップを経験。現・日本代表男子ヘッドコーチの穴井善博さんの指導の下、「プレー一つひとつへの意識を学んだ」。

社会人クラブ「リーベ栃木」では全国優勝常連に。現・日本代表女子ヘッドコーチの高橋章さんの指導を受けた。「みんな仕事をしながらの活動で、メリハリをつけた楽しいホッケーだった」。この経験が今の教訓に。「コーチより兄貴的な存在でありたい。今のチームは、僕らの時より強く、教えがいがある。次は全国制覇。教え子が高校や大学で活躍してくれるのが楽しみ」。28歳。

関連記事