都市化より「今」 俳優・新木宏典さんが語る”故郷”の魅力 「栄え過ぎていない」自然環境

2025.01.13
地域注目

丹波地域の魅力を語る新木さん

兵庫県丹波市の観光アンバサダーに就任し、ふるさと丹波市のPRに情熱を注ぐ俳優・新木宏典さん(41)。同県丹波篠山市内の高校の卒業生でもあり、両市にゆかりがある新木さんに、それぞれのまちでの思い出を振り返ってもらったほか、この地域の魅力について語ってもらった。

―丹波市観光アンバサダーに就任されました。どのようなことをされていますか

丹波市観光サポーターと共に、SNS(交流サイト)で丹波市の魅力を発信しています。付けるハッシュタグは、「丹波市観光アンバサダー」「丹波市観光サポーター」「SATURDAYTAMBA」の3つ。アンバサダーとしては年に数回、市内で行われるイベントに参加します。

―丹波篠山市内の高校の卒業生ですね

通っていた高校は篠山口駅から遠いんです。自転車で30分くらいかかったかな。電車は1時間に1本。あの有名な「デカンショ祭」さえ行っていないんです。同級生と一緒に当時を思い出していたんですが、「何か1つ、暇つぶしを入れるくらいで、すぐ帰っていたよね」という話になりました(笑)。

―幼いころや学生時代の思い出は

どこに行っても、誰かが見ているというプレッシャーですね(笑)。「親の目」が多いという感じ。そこら中に親の目があり、全部情報が漏れる(笑)。でも、安心ではありました。怪しい人がいたり、変なことはなかったし、自由に遊べていたのはそういうことだったのかな。

昨年10月のイベント「丹波GO!GO!フェスタ」のフィナーレで餅をまく新木さん

―丹波市、丹波篠山市で行ってみたい場所はありますか

お店ですね。地元に住んでいた時、お店に行った経験が本当に少ない。学生のお小遣いでは頻繁に飲食店に行けなかったし、家の食事が好きだったので、外で食べたい欲がありませんでした。

その他にも行ってみたい場所は多いです。去年、丹波市氷上町清住のコスモス園に行ってきたんですが、開花のピークではなかったんですよ。ぜひ旬の時期にピンポイントで行きたいですね。

丹波篠山市は…僕は丹波市観光アンバサダーなので(笑)。丹波篠山のお店やスポットも知らないことばかりです。丹波篠山市は、いろんな体験ができるという印象があります。僕はまず、デカンショ祭に参加することからですね(笑)。

―外から見た丹波市、丹波篠山市の良いところは何だと感じますか

「栄え過ぎていない」ということです。これがどれだけ貴重なことかっていうのを知っていてほしい。便利なのはネットだけで十分ですよ。

丹波市観光アンバサダーの就任式で、ちーたんと市観光課のインスタグラムをPRする新木さん

何かを壊して、何かをつくらなければならないというよりは、これだけ豊かな土地があって、これだけ豊かな食材が育って、自然と簡単に触れ合える。人がつくることができないものが身近にある環境というのが、どれだけ素晴らしいかというのは、都会に出て改めて思います。

「都市化していかなきゃ」という発想ではなく、「この環境が素晴らしいんだよ」ということを伝えることが、僕自身もアンバサダーとして重要と考えています。

帰ってくると、空気が澄んでいて気持ちがいい。こういうものは、他の場所ではなかなか体験できない。自然に触れているという感覚は、丹波に帰って来て感じる。「栄え過ぎていない」というのが、僕の中では丹波市と丹波篠山市の魅力になっていますね。

◆あらき・ひろふみ◆ 兵庫県丹波市出身の俳優。1983年6月14日生まれ。2004年12月、若手男性俳優集団「D―BOYS」に加入。翌年、ミュージカル「テニスの王子様」でデビュー。07―08年には、テレビ朝日系列の特撮テレビドラマ「獣拳戦隊ゲキレンジャー」で悪の首領・理央役を演じ、幅広いファンを獲得した。23年6月、荒木宏文から現名称に改名した。

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