企業の里山を環境省が認定 生物多様性を保全し活用 ユニトピアささやま

2025.01.29
丹波篠山市地域自然観光

認定証を手に里山再生エリアの「自然共生サイト」認定を喜ぶパナソニックグループ関係者=兵庫県丹波篠山市北新町で

パナソニックグループ労働組合連合会の休暇村、ユニトピアささやま(兵庫県丹波篠山市矢代)の里山再生エリアが、環境省が企業や団体、自治体などによるさまざまな取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を登録する「自然共生サイト」に認定された。同エリアでは、棚田跡地を活用してため池や湿地を保持することで、モリアオガエルやニホンヒキガエルの産卵場所になり、多様な生き物のすみかにもなりつつある。県内では14カ所が認定されており、丹波地域では初。

ユニトピアでの里山再生は2012年に始まり、今回認定された再生エリアは約0・3ヘクタール。生物多様性を保全するだけでなく、エリア内で米の有機栽培や養蜂に挑戦するなど、子どもたちや利用客らの環境教育、環境保全活動の場として活用している。

里山再生エリアで田植えを楽しむ子どもら(提供)=兵庫県丹波篠山市矢代で

里山再生に向けて地域の関係者と連携している点や、宿泊施設があるため、幅広い利用客が自然や生物多様性を学ぶ場としての活用に期待できる点などが評価された。

認定により、▽企業のPRやブランド力向上▽地域との連携強化▽国の財政支援―などの利点がある。

同グループは、会社、労組を挙げて長く環境活動に取り組んでいる。パナソニック社の社員や退職OB会などでつくる環境保全組織「パナソニックエコリレージャパン」事務局長の天野康生さん(50)は、「先輩たちの実績を形にすることができて良かった。認定されて終わりではなく、その価値を高め発信していくことが必要。市、関係者とタッグを組んで地域を盛り上げていきたい。環境活動における“丹波篠山モデル”として広めていき、その一員として参画できたら」と話していた。

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