兵庫県丹波市医師会の統計で、患者数が過去最多水準で推移している季節性インフルエンザについて、市の予防接種の実施状況から、小児の接種率が26・1%(昨年12月末)と、新型コロナウイルス感染拡大前と比べ、大幅に低下していることが分かった=グラフ。高齢者は減少幅が少なく、小児でインフルエンザへの警戒感が薄くなっていることがうかがえる。
小児(生後6カ月―中学生)の接種率は、コロナの流行でみるみる下がり、昨年度は27・1%。2019年度の55・8%や、20年度の56%から半減した。
今年度は年末までで26・1%と低調。年度途中のため、幾分上昇が見込まれるものの、コロナ前と比べると段違いに低い。市健康課は接種率低下の理由を▽新型コロナが流行していた間は、コロナ感染を危惧して医療機関の受診控えがあった▽新型コロナが流行している間はインフルエンザが流行せず、必要性が感じられなかった▽新型コロナに気がいき、インフルエンザへの警戒心が薄らいでしまった―などと分析する。
65歳以上高齢者の接種率は今年度が47・1%(昨年12月末)。こちらも年度途中の集計で、年度末には幾分上昇が見込まれる。
一方、23年秋から定期接種になった新型コロナワクチンの65歳以上高齢者の接種率は、昨年度が51・4%だったのに対し、今年度は14・2%(1月22日時点)と低調。全国的に低調で、同課は、臨時接種のような接種券の配布がなくなったことや、大きな流行がなく危機意識が薄れたことなどが影響しているとみている。
市は両疾病のワクチン接種に助成している。インフルエンザは、小児が自己負担額2900円、高齢者が1400円。高齢者の新型コロナが2100円。いずれも2月28日まで。
県感染症週報によると、19日までの1週間の丹波保健所管内のインフルエンザ患者数は定点当たり12・17人で、前の週より9・5人減った。「注意報」水準は変わらず。全県は17・25人で、前の週から半減した。同保健所管内の新型コロナ患者数は6・17人で、0・5人減。全県は4・37人で、0・98人減った。