丹波市豪雨災害で被災した余田義信さん(67)=同市市島町上鴨阪=が、全壊指定を受けた自宅納屋の跡地に丹波市産材のログハウスを設置し、地域への開放を始めた。その隣にある被災した土蔵も、関西大学佐治スタジオの学生とともに改装中で、ギャラリーなどとして活用する計画にしており、ログハウスとともに憩いの場として展開する。余田さんは「空き地にしたままではもったいない。開かれた場所になれば」と話している。
ログハウスは東洋製材所(柏原町柏原)製。基礎の上に組み上げられており、床面積は16平方㍍ほど。天井も高く、7つの窓から採光しており、室内は明るい。
もともとあった古い納屋は、災害で土砂が流入し全壊指定を受けた。一昨年には、神戸大学都市安全研究センターの学生らが作製した、前山地区の被災状況がわかる地図を貼る場所にと、余田さんが納屋の外壁を提供。納屋は昨年1月、地図を移設した上で取り壊した。
昔からログハウスに憧れがあったという余田さんは、昨夏、たまたま同社のモデルハウスを見つけ即契約。「母屋もあるし、住居を建てても仕方ない。それなら地域の人が憩うスペースにしたかった」と話す。ログハウスの屋根には、納屋の瓦を葺き、災害の記憶もとどめた。