兵庫県丹波篠山市今田町下小野原の太治広樹さん(63)は、妻・恵さん(61)が自宅の隣で営んでいる雑貨店「恵美里」で、近年、観葉植物として人気のシダ植物「ビカクシダ」の販売を始めた。広樹さんは自他共に認める凝り性。「趣味が高じて、ついに販売することに。ビカクシダの魅力を語り合える仲間が欲しい」と笑い、「壁掛けができる観葉植物なので、室内空間の有効利用ができ、インテリアにもぴったり。お一ついかが」と呼びかけている。
同店は21年前に開店。手作り木工品や、カントリー、ガーデニング、ハンドメイドの雑貨などを扱っており、今春、リニューアルオープンしたのを機に、「間借りした」。
ビカクシダは、「麋角羊歯」と書く。「麋」は大鹿を意味し、葉の形がシカの角に似ることからこの名が付いた。コウモリが羽を広げた姿にも似るとして、別名「コウモリラン」とも。熱帯地域に分布し、ノキシノブなどが属するウラボシ科に分類される常緑多年生のシダ。岩や木に着生して生育する。
高温多湿を好み、小さなうちは乾燥に弱いが、成長するにつれ乾燥に強くなる。寒い時期は15度を下回らないよう、暖房を入れて管理する。「成長すると丈夫なので、初心者でも育てやすい」と話す。
スマートフォンのアプリを使って光や温度、湿度、二酸化炭素濃度などを遠隔管理している。
「小さいのを大きく育てるのが醍醐味」と話し、胞子を採集して発芽させ、苗から育てている品種も。「どんな“子”に育つか分からないところに夢がある」と目を細める。
取り扱うビカクシダは多種多様で、サイズだけでも、手のひら大から1㍍以上のものまである。苗も販売しており1000円から。大物になると数万円。壁に飾れるよう、木の板や樹皮に着生させて育てる。1年前からヤフーオークションやメルカリでも販売している。
本業は設備工事業。昔から熱帯魚が好きで飼育していたが、いつしか「さまざまな魚を育んでくれる水草に引かれるようになった」。3年前、水槽の中で美しくレイアウトされた水草を背景に悠々と泳ぐ熱帯魚の画像をインスタグラムで閲覧していたところ、その関連画像でビカクシダが上がってきた。「面白い姿。育てるのが楽しそう」と、琴線に触れた。
第4土、日曜のみ営業。午前10時―午後4時。
インスタグラム(アカウント名emiri.plants)で詳細や最新情報を発信している。

























