集落で開設34年 「げんき味噌」や野菜販売 「味間北元気市」 連載”まちの世間遺産”

2025.08.01
ニュース丹波篠山市地域地域注目観光

開設以来、初めて改装した直売所前で、記念撮影に納まる会員たち=兵庫県丹波篠山市味間北で(2024年5月)

当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、兵庫県丹波篠山市網掛にある農産物直売所「味間北元気市」です。

1つの集落だけで34年間続けている兵庫県丹波篠山市味間北の農産物直売所「味間北元気市」。毎週土、日曜の午前8―11時に60―80歳代の会員13人が育てた新鮮野菜が並ぶ。黒大豆、白大豆、こうじ米を使った無添加の「げんき味噌」は25年以上造り続ける人気商品。多い年は約1トンを仕込むという。

25年以上続く人気の「げんき味噌」

1991年、当時の自治会長、松下洋一さんの「野菜売り場を作ってみては」との雑談の中での提案に40―60代の男女約20人が集まった。空き倉庫を使い、自家野菜の”お裾分け”を販売。創設メンバーの栁澤真澄さん(79)は「自分たちで作った野菜が売れたという喜びがあった」と振り返る。

味間奥の実家に立ち寄る度に訪れるという畑美加さん(52)=同市=は「近くに直売所があるのはありがたい。季節のものが新鮮で安い」とお気に入り。

34年を振り返り、栁澤さんは「売る商品があろうが、なかろうが、みんなで集まって、わいわいできたことや、自転車や徒歩で野菜を持って来られたのが良かった」と話す。入会7年目の栁澤京子代表(72)は「地域のさまざまな情報交換ができる。課題は後継者をつくること。細く長く続けられれば」。

げんき味噌は、味土里館、特産館ささやま、大正ロマン館、ぬくもりの郷、狩場酒造で販売している。

関連記事