銃後の丹波兵士の戦場紹介 写真や出征兵の遺品など108点展示 終戦80年の節目に企画展

2025.08.06
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出征兵の遺品などが並ぶ展示会場=兵庫県丹波市春日町黒井で

太平洋戦争終戦から80年の節目に、戦時中の丹波の様子と、戦場へ赴いた出征兵士たちの2つの視点から当時の記憶を辿る夏季企画展「戦後80年 銃後の丹波 兵士の戦場」(丹波市教育委員会主催)が、春日歴史民俗資料館(兵庫県丹波市春日町黒井)で開かれている。銃後(戦時中の戦場ではない場所)の丹波に関する写真のほか、出征した兵士が当時着用していた衣類品、従軍時の写真など、遺族からの寄贈品を含む108点を展示している。8月31日まで。

「銃後の丹波」では、旧制柏原中学校(現・柏原高校)のグライダーを用いた滑空訓練(1941年頃、個人蔵)や、上久下国民学校(現・上久下小学校)補修科のなぎなた稽古(1945年頃、同)などの写真を展示。また、日清戦争において突撃ラッパを吹きながら銃撃を受けて戦死した木口小平がモデルの「ラッパ兵」(大正―昭和初期頃、市島民俗資料館蔵)など6体の稲畑人形も展示されている。

「兵士の戦場」では、陸軍衛生上等兵だった西山忠二さんが使用していた帽子、鞄(いずれも昭和戦時中、個人蔵)や、日の丸を囲むように200人以上の名前が書きこまれ、出征兵士「村上長之助」を鼓舞するメッセージが書かれた「日の丸寄せ書き」(同、高座神社蔵)などが展示されている。

8月23日午後1時半から春日住民センター(春日町黒井)で、同市教委学芸員で同企画展担当の玉出隼人さんによる講演「丹波と銃後の生活」が開かれる。

午前9時―午後5時。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日が休館)。

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