おばあちゃんの太平洋戦争 クラファン活用で絵本完成 「子どもも読みやすく」

2025.08.17
地域歴史注目

書籍化された絵本を手にする村上さん=兵庫県丹波市春日町黒井で

「たんば手づくり絵本の会」(村上祐喜子さん主宰)が、インターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディング(クラファン)で書籍化した、兵庫県丹波市春日町多田の故・義積喜美子さんによる絵本「おばあちゃんの太平洋戦争」が完成した。終戦80年の節目を前に、全国の支援者に発送を終え、県内約60の全図書館や丹波地域の小中学校などに寄贈した。

今年1月に90歳で亡くなった義積さんが、子どもの頃の戦争体験を描いた絵本。2005年に手描き、手作り製本で完成した絵本で、20年に冊子化したが、在庫がなくなっていた。戦後80年の節目の年に「絵本をもっと広めたい」と、村上さん(大阪府茨木市)らがハードカバーの書籍化を計画した。

クラファンには丹波地域内外の209人から支援があり、目標の1・5倍の180万円が集まった。発行部数を600部に増やし、予定になかったカバーも付けることができた。冊子版の文字はパソコン打ちにしていたが、書籍版は義積さんの手書き文字に戻した。

村上さんは「戦争を扱った本は悲惨なものもあるが、この本は小学生の時の体験を割に淡々と描いており、子どもにも読みやすいのでは。体験を次世代につないでいきたい」と話している。

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