「てにをは」

2011.06.29
丹波春秋

 中国、ベトナムなどの大学生にeメール交信で日本語を教えているが、彼らが一番手こずるのが、「てにをは」。日本語の奥深さは、たった1文字の助詞があってこそと、つくづく思う。▼ところで、最近の日本人がテレビなどで話している言葉で非常に気になることが2、3ある。まず「何々と思います」と言うべきところに、「何々とは、思います」という風に「は」が加わる。すると、「思っているのだけれど、それには条件が付く」、あるいは「その思いに確信が持てない」という意になる。▼次に、「何々なのかな、と思います」と言う風に「かな」が付く。これもほぼ同様のニュアンスだろう。さらに、「これも同様のニュアンス?だと思います」と言う風に、漢語や横文字語の語尾を上げる。これは、その語彙の使い方が適切かどうか、聞き手に尋ね、同意を得ながら話している感じだ。▼無論、もも、そのニュアンスを表すために「は」や「かな」を使っているのなら問題はないのだが、文脈から見て全く不要な場合が多く、ただソフトな語り口を印象付けようとしているだけなのであれば、やはり誤用だろう。も大抵の場合、「?」は不要だ。▼「このような現象?を見ると、どうも日本人全体が自信を喪失?しているのかな、とは、思いますね」。(E)

 

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