詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警丹波署(計倉昭博署長)は21日、同署で丹波市内の2団体と3人に署長感謝状を贈った。いずれも高齢者が高額の被害に遭いそうになっていたことに気づき、同署に通報して被害を水際で防止した。
事案はいずれも7月に発生。感謝状は、JA丹波ひかみ春日支店の畑悠真さん(29)と稲継和樹さん(24)、同氷上支店生郷店、氷上市辺郵便局、セブンイレブン丹波市辺南店員の三好亮多さん(23)に贈られた。
4日午後、畑さんと稲継さんが船城ATMの清掃中、80歳代女性が慌てた様子で来店。自転車の籠に載せた携帯電話がしきりに鳴っており、声をかけると、市役所職員を名乗る電話で「還付金があると言われた」と説明したという。
同日午後、JA丹波ひかみ氷上支店生郷店に70歳代女性が来店。対応した波多野浩平店長(51)に「占いで100万円を振り込めば、ロト7が当選すると言われた」と話した。女性の携帯電話には「数億円が当選する」というメールが届いていたという。
波多野店長によると、この事案とは別に、JAバンクや同ネットバンクを装ったフィッシングメールが送られたり、偽サイトが開設されたりしており、注意を喚起している。
また、17日午前、氷上市辺郵便局に80歳代女性が来店。記帳した通帳に高額の口座振替履歴があったことから、局員の中尾忍さん(50)と岡澤美穂さん(32)が理由を尋ねても話したがらず、不審に感じたという。女性宅に警察官を名乗る電話があり、「あなたの口座が特殊詐欺事件に使用されている。他の口座の預金を郵便局口座に移して」などと指示されていたという。
同日午後、セブンイレブン丹波市辺南店に来店した70歳代男性が、同店員の三好さんに「アップルギフトカード50万円分が欲しい」と話した。用途を尋ねたりするうちに不審に感じた。男性は交流サイト(SNS)で知り合った女性と無料通信アプリで連絡を取り合い、「シリア政府が支給する補償金の受け取りをしてほしい」と言われ、配達料名目の現金支払いを断ると、同ギフトカードを買うよう指示されたという。
同署によると、管内の今年6月末までの特殊詐欺被害は7件(前年同期2件)で1944万2000円(同103万9000円)、SNS型投資ロマンス詐欺被害は5件(同4件)で622万6000円(同2855万8000円)。
























