困り事に応え景観守る
地域の自然環境や景観を守ることに貢献したいとの思いから「たんば草苅屋」の屋号で、主に個人の自宅や農地、休耕地などの草刈りや剪定などを請け負う事業を始めた。「刈り終えた後に景色が変わる達成感があり、何より喜ばれたときにやりがいを感じる」と、真っ黒に日焼けした顔から白い歯をのぞかせる。
セイタカアワダチソウなど背丈の高い草だけを刈り、背の低い草は残したり、少し茎を残すように刈ったりする。それは、▽緑を残すことで美しい景観が守られる▽小さな植物や昆虫の生息地を守る▽土壌の乾燥や裸地化を防ぐ―などのメリットがあると考えているからだ。「ただ、それもお客さんの理解があってこそ。相談しながらです」と笑う。料金は時間単位で設定している。
地元の山南町で恐竜化石が発見された際には、恐竜を生かしたまちづくりに貢献しようと活動した経験がある。その後、勤めていた会社を、体調をくずして退職。復調し、徐々に動き出そうとした昨年、皆が困っていることで力になりたいと考えた。自身が畑仕事を始めたこともヒントとなり、「手っ取り早く自分にできるサービス」として浮かんだのが草刈りや剪定だった。剪定技術は、入会した丹波市シルバー人材センターで学んでいる最中。
高齢化、過疎が進む丹波地域。特に高齢の一人暮らしの女性が困っていることを肌で感じる。「お墓も心配で」という切実な声も聞く。「事業を通じていろんな人と話す機会があり、自分の考えを見直したり、勉強になったりする」。場所によっては草が目につくと、ついでに刈るときもある。「気になって」。62歳。電0795・77・2815。
























