兵庫県丹波市市島町の高見善子さん(66)が自宅の離れで、趣味のフェルト手芸を楽しんでいる。テーブルの上や、壁に掛かったウォールシェルフには、ケーキ、ソフトクリームなど見た目そっくりなスイーツのほか、おままごとセットなど約100点がずらりと並んでおり、癒やしの空間となっている。
10歳代の頃から私服を作り、20年ほど前からは布製の小物作りを楽しんでいたものの、細かい作業はそれほど得意ではなく、「取りかかった作品は一日で仕上げたい」という高見さん。時間をかけて作るフェルト作品はほとんど経験がなかった。
今年2月、友人から誕生日プレゼントでフェルトのホールケーキをもらった。かわいい物が大好きな高見さんは、その見た目に感動すると同時に、「これなら手元にずっと残る」ところが魅力的に感じた。
フェルトの手芸本を参考に、試しに手のひらに納まるサイズのショートケーキやロールケーキなど計10個を製作。「意外と良い感じ」に仕上がった。友人たちからも好評で、それをきっかけにフェルト工作に夢中になっていったという。
中でもミカン、パインなどのフルーツ缶がお気に入り。缶の中には、本当に食べられそうな本物そっくりな果物が入っている。立体的に見せるために、詰め物にメラミンスポンジを使用。綿よりも型崩れせず、きれいに成形できるという。
高見さんは「まるで本物のように立体的に作れるところが良い。友人たちから『めっちゃおいしそう』『食べたい』と言われると、うれしくてもっと作りたくなる」とほほ笑み、「気になった方がいれば、ぜひ見に来てください」と話している。


























