多彩な竹久夢二の回顧展 生誕140年、252点を展示 美人画や挿絵原画など

2025.09.09
丹波市地域地域観光

「長崎十二景」の作品が並ぶ展示会場=兵庫県丹波市氷上町西中で

大正ロマンを代表する芸術家、竹久夢二の回顧展「生誕140年 竹久夢二のすべて 画家は詩人でデザイナー」が、兵庫県丹波市の植野記念美術館で開かれている。6章で構成され、代表作の女性像を描いた「夢二式美人」のほか、油彩で表現した風景画、雑誌や短編小説の挿絵など、幅広く活躍した夢二の原画など252作品を展示している。10月5日まで。

第1章では、色白、小顔、八頭身で大きな瞳を持つ、はかなげな女性を描いた「夢二式美人」を展示。夢二が得意とする、顔の左側から振り返る女性などが柔らかな筆さばきで描かれている。

晩年には渡米を果たすなど、旅が好きだった夢二が兵庫県を訪れた際に描いた「室之津懐古」や、当時の交易都市・長崎県の異国情緒あふれる町並みなどを、女性の姿と共に描いた12枚のシリーズ作品「長崎十二景」なども見どころとなっている。

雑誌、小説の挿絵原画や楽譜の表紙のほか、千代紙、封筒などのデザインワークなども展示している。文才に長け、音楽への造詣が深かった夢二がマルチに活動したことがうかがえる。

同美術館学芸員の永山宗史さん(29)は「『美人画家』のイメージが強いが、詩人、デザイナー、挿絵画家など、多才さを作品を通して知り、楽しんでもらえたら」と来場を呼びかけている。

午前10時―午後5時。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日が休館)。一般600円、大学・高校生300円、小中学生150円。

関連記事