兵庫県丹波篠山市沢田の澤田乃宮八幡神社の境内にある、170年前に造られたとされる狛犬の修復が完了し、このほど、例大祭後に清祓いと除幕式が行われた。今西俊博・責任役員(76)は「(狛犬の姿が)元に戻り、参拝者をしっかり見守っていただけるのでは。より多くの方に参拝していただければ」と話している。
この狛犬の台石には安政3年(1856)との文字が刻まれている。昨年6月、地域史研究家の山内順子さん(同県丹波市)が冊子「丹波篠山澤田乃宮八幡神社和泉石製獅子狛犬について」をまとめたのをきっかけに、この貴重な狛犬を修復しようとの機運が高まった。老朽化で足が欠けていたり、胴体が崩れかけたりしていたことから、今年3月に京都の彩色師に修復を依頼し、約半年にわたり延べ13回、作業が行われた。
鎌田龍彦宮司(54)が清祓いし、除幕式には氏子総代や北沢田、前沢田、上河原町、下河原町の自治会長が参加。立派になった狛犬を囲み、同神社の名木、ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャの木)をバックに記念撮影した。この木は、鎌田宮司の父で、東京都の大宮八幡宮宮司の紀彦さんが、明治神宮の権宮司で外苑長だった約30年前、外苑にある木から増殖した苗を移植したという。
鎌田宮司は「地元の方のお気持ちで古い文化財を修復していただき、ありがたい。いかに後世に残すかが大切。これからも大切な文化財を守っていきたい」と話していた。


























