1980―2000年代初頭に小学生女子を中心に流行した「シール交換」の文化が再び注目を集めている。友だち同士でシールを見せ合って欲しいものと交換し、仲を深めていくコミュニケーションツールの一つ。当時を知らない10―20歳代のZ世代には新鮮に映り、幼少の頃、シール交換をした経験がある30歳代にとっては懐かしさを感じる、と全国規模でブームが起きている。流行は繰り返され、この動きが兵庫県丹波市内でも見られるようだ。
盛り上がりの背景には、明るく、ポップで、ポジティブな印象を与える「平成レトロ」な物に囲まれて成長した人を指す「平成女児」に憧れを抱くZ世代や当時を懐かしむ世代による、交流サイト(SNS)での拡散や著名人による同サイトでの発信の影響が大きいという。
若者の流行をキャッチし、「旬」な商品を取りそろえている丹波ゆめタウン(同市氷上町)内の雑貨店「JOYPOINT NISHIDAYA」は、人目につきやすい通路に面した一角にシールコーナーを展開。厚みがあり、中に水が入っている「ウォーターシール」、星や丸、ハート形の「おはじきシール」、色鮮やかでラメが散りばめられた、平成時代に人気を集めたキャラクターものなどを約60種類取り扱っている。
シールは今年1月頃から販売を開始。子どもたちが夏休みに入った7―8月は来店者数と比例して売り上げも上昇。7月は売り上げ全体の約3割、8月は約2割を占めたという。
同店の藤原理香さん(54)は「シール交換がはやっていることをひしひしと感じる。市内で買える店は少ないので、幅広い年代のお客さんが買いに来られている」と話す。
同店でウォーターシールを購入した女子中学生(14)は「SNSで『平成女児』特集を見てかわいいなと思った。友だち同士で交換している」と話した。小学3、5年生の娘がいる女性(32)は「小学生の頃、友だちとシール交換をしていた。娘たちがしているのを見て、懐かしく感じている」と懐古していた。
同商業施設内の文房具店「mono STATION」は半年ほど前からシールを8種から14種に増やし、「ハローキティ」「しずくちゃん」など平成を彩ったキャラクターの「ドロップシール」を販売。レジを担当する足立成美さん(60)は「2、3枚をまとめて買っていく方が何人もいて気になり、20代くらいの女性に尋ねると、『シール交換をしているんです』とおっしゃっていた」と腑におちた様子。
100円均一ショップ「ミーツ」(コモーレ丹波の森内、同市柏原町)は、ラメが入った四角い「タイルシール」など約30種を販売。店員の本田めぐみさん(38)も小学生の頃にシール交換を楽しんだと言い、「私と同年代くらいの女性たちが、当時人気だったタイルシールを買っていかれる」と話していた。


























