兵庫県丹波篠山市内の田園地帯で出会ったのは、夏鳥の「ノビタキ」。越冬地の中国南部や東南アジアへと「渡り」を行う季節で、平地の田畑で〝休憩〟している。
ヒタキ科で全長13センチ。日本には夏鳥として飛来し、北海道や本州中部以北、九州の高原で繁殖する。渡りの時期には平地でも見られる。
夏のオスは顔や背中、翼が黒く、腰や腹は白、胸の一部が赤いなど特徴的な姿。メスは全体が褐色。秋のオスは冬羽に変わり始めており、メスと似たような色になる。この日であったのはオス。畑の中で、同市特産の黒豆の葉に乗っては辺りを見渡している。
23日は二十四節気の一つ「霜降」。朝晩の冷え込みが増し、霜が降り始めるなど、冬の足音がいっそう近づくころとされる。実際、市内は半袖ではいられない気温になってきており、ノビタキとの別れも近い。「長旅がんばれよー」とつぶやきながら数枚シャッターを切って現場を後にし、撮影した画像を見て驚いた。
ノビタキが羽をちょいと上げる瞬間をとらえた一枚。まるで、こちらに向かって「バイバイ」と言っているかのようだ。
人間の勝手な思い込みであることは百も承知だが、心が通ったようでうれしくなった。改めて、「バイバイ、また来年ね」―。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)


























