空手マスターズ全国ベスト16に 多鹿上二さん(丹波篠山市)

2025.11.02
たんばのひと

ブルース・リーに憧れ

6月に開かれた県空手道選手権大会マスターズの部・形60歳代の部で優勝し、9月の全国大会「日本スポーツマスターズ2025愛媛大会」でベスト16入りを達成。「がむしゃらに1戦ずつ勝ち進むことだけ考えていたので、ベスト16入りは驚いたし、うれしかった」と精悍な顔つきでほほ笑む。

決められた形を演じ、ポイント上位が勝ち残っていくシステム。セイエンチン、マツムラローハイ、トマリバッサイの形で、ベスト16となるラウンド3まで進み、決勝ラウンドは逃したものの、自己ベストを成し遂げた。「スタミナが足りなかった。筋トレや走り込みにも力を入れたい」と次戦へ気合を入れる。

小野市出身。小野高校時代、ブルース・リーに憧れて空手を始めた。卒業後は競技から離れていたものの、30代になって自宅のポストに入っていた空手のチラシを見て、「懐かしいなあ」と復帰。2000年に丹波篠山市に引っ越したことで再び距離ができたが、娘が「空手をしたい」と言ったことから、一緒に同市南新町にある「修誠館」の門をたたいた。以来、30年にわたって空手の道を歩んでいる。

形の魅力は、「対戦こそしないが、いろんな技が入っており、昔の人はこう考えていたのか、と理解できるのが楽しい」と言い、「良い師匠や仲間に恵まれたからこそ続いている。空手に戻るきっかけをくれた娘にも感謝です」と笑う。

今後も出場し続ける予定で、「高齢の方には円熟味があり、若さでは勝てないすごみがある。自分も、一つでも高みを目指したい」。道場では子どもたちの指導もしており、「自信や礼儀の大切さも伝えたい」とにっこり。62歳。

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