伊能忠敬の足跡歩こう ノルディックウォーキングで 調査の会の功績も伝え

2025.12.04
地域歴史注目観光

伊能忠敬の足跡をたどるノルディックウォーキングイベントを開く小島さん=兵庫県丹波篠山市北新町で

江戸時代に日本全国を測量した伊能忠敬が兵庫県丹波篠山市内で測量した史実を調査し、その足跡を通して地域活性化の活動を展開してきた市民グループ「伊能忠敬笹山領探索の会」の功績と忠敬の足跡を、2本のポールを持って歩くエクササイズ「ノルディックウォーキング」で伝える取り組みが12月からスタートする。主催するのは、日本ノルディックウォーキング協会が認定する上級インストラクターの小島めぐみさん(55)。小島さんは、「可能な範囲で伊能さんが歩いた道を歩き、ノルディックの楽しさと、歴史を感じてもらえるような取り組みになれば」と話している。

初回は7日午前9時45分から篠山小学校で。元同会員の案内で、同会の成果や忠敬の関連資料を保管する同校のふるさとミュージアムを見学するほか、忠敬が測量に使った「歩測」を体験した後、同校から同会が建立した標柱(北新町、篠山郵便局横)までの数百メートルを歩く。

2回目以降は、市内各地に残る忠敬の足跡をたどり、初回よりも長めの距離を歩く。月に1回程度の間隔で開催する予定。

忠敬は江戸時代の文化8年(1811)と11年(1814)に篠山藩内を測量した。

同会は、丹波の森公苑が主催する講座「丹波学」で、忠敬の足跡を学んだ人たちで結成。「その足跡を郷土の歴史・文化を育む生きた教材として後世に伝えていこう」と活動し、「伊能忠敬測量日記」や園田家文書「測量方御用日記」を手がかりに調査を進めたほか、地域や小学校での出前教室や、忠敬が歩いた市内の街道沿い12カ所に標柱を立てるなどの活動を展開してきた。同会の調査で、忠敬が測量した道のうち76%が現在も残っていることが分かっている。

同会は「活動に一区切りがついた」と2023年3月に解散。その後、昨年6月には、「測量の日」(6月3日)にちなみ、国土交通省国土地理院から感謝状を受けている。

小島さんは、ノルディックウォーキング仲間を通じて同会の元会員と知り合い、「せっかく調べたことが忘れられていくのはもったいない。伝えていってもらえないか」と打診を受けたことをきっかけにイベントを企画。もともと歴史に興味があり、忠敬についても大きな関心を持っていたことから、2回目以降は自身がガイドできるように勉強中という。

「55歳から歩き始めた伊能さんは測量、同じ55歳の私は健康と、その目的は違うけれど、人としてすごいと思う。それに測量に来ることを知った時の篠山の人の動きも面白い」とほほ笑み、「地域の人が地域のことを知ることは、とても大事。車ではなく、歩くからこそ見える景色があるので、ぜひ一緒に楽しんでもらえたら」と話している。

初回の参加費用は1000円。ノルディックウォーキングで使うポールは、無料でレンタルできる。動きやすい服装と靴、帽子、飲み物などを持参。問い合わせや申し込みは小島さんのフェイスブックで。

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