
直感とつながり大切に
丹波市青垣町の旧遠阪小学校向かいに、パン屋「astlancha(アストランチャ)」を開業し、1月1日で1年を迎えた。地域の人をはじめ、県北部や京阪神からも客が訪れ、週3日の営業日は毎回売り切れる人気店となっている。
子どもの頃から菓子作りが好きで、パティシエを目指して辻調理師専門学校で学ぶも、就職活動の際に“未知”だったパンに引かれ、神戸の有名店「コム・シノワ」に就職。体力勝負のハードな環境で心身共に鍛えられ、約5年間で一通りの技術を身に付けた。
テレビ番組で全国区の人気店となっていた「ヒヨリブロート」(同市氷上町、オンライン販売のみ)を知り、研修を申し込んだ。2022年に丹波市へ移住。2年半スタッフを務め、中古オーブン購入などを契機に独立を決めた。
丹波へ来た時も、開業地選びも「直感」。「居心地がいい」と青垣に引かれ、そば店だった古民家物件の扉を開けて「ここでパン屋を開く」と即決した。決断した後は「やるのみ」。「ドライバーも持ったことがなかった」が、友人らの力も借りながら店舗をDIY。夜は居酒屋などでアルバイトをしながら、昼は改修工事に没頭し、約4カ月のスピードで開業にこぎつけた。熱意と度胸が周囲の応援を引き寄せている。
店のテーマは「季節を食べる」。地元で取れた物、旅先で出合った物、人のつながりで知った物など、「大事にしたい食材」を最大限に生かすパンを考えるという。「ネット社会の現代だけれど、ここでは人の温かさを感じられる。ふるさとが増えたような気持ち」。明石市出身、28歳。


























