「休む暇はないけれど、やりたかったことが実現できて楽しい」―。昨年9月に兵庫県神戸市から同県丹波市市島町に移住した長谷川寿也さん(51)、雅絵さん(52)夫妻が、廃鶏舎を改修し、「丹波いちじま小さな養鶏場」(同町上竹田999―1)を起業した。新鮮な朝採れ卵の自動販売機を構え、「今後は、直売所の販路を拡大していきたい」と意気込んでいる。
産卵率が高いとされる品種、ボリスブラウンを、ケージで750羽飼育。朝、夕の2回与える飼料は、トウモロコシや海藻粉末、ZK菌(納豆菌の一種)などを配合。粉砕した季節の野菜や果物なども与えている。機械に頼らず、全て手で与えており、鶏の体調変化に気づきやすいという。
商品名は「丹波赤玉『雅』」。〝新鮮さ〟にこだわり、その日の朝に収卵した卵を、鶏舎近くの市道八日市今中線沿いの自動販売機や「道の駅あおがき」(同市青垣町西芦田)など、市内外の直売所で販売している。自販機の価格は、▽小玉(MSサイズ)350円▽デカ玉(L、2Lサイズ)400円▽13―15個入り(750グラム以上)500円―。
鶏舎は、空気が自然循環しやすい造りにし、屋根は断熱材を用いて、暑さに弱い鶏が夏バテしないように対策。基本はケージ飼育だが、ケージを解放し、鶏舎内でのびのびと遊ばせる時間も設けているという。
移住前は、趣味で日本各地の闘牛観戦に通う傍ら、自身で闘牛用の牛を飼育するなど、動物の世話をする楽しさを感じていた。インターネットで畜産について調べる中で、卵も鶏肉も好きだったことから養鶏に関心を持った。各地の養鶏所を見学。さらに毎週末、丹波市内の養鶏所に通って実地で学び、知識を深めていった。
自分の養鶏所を持ちたい思いを抱きながらも、なかなか良い物件に巡り合えずにいた。そんな中、2年ほど前に知人から現在の鶏舎を紹介された。当時は傷みの目立つ状態だったが、「それでもやりたい」と決意。30年以上勤めた神戸市の鉄鋼メーカーに区切りをつけ、会社の仲間たちに手伝ってもらいながら、約4カ月かけて改修した。
「元気な卵を産んでもらうには、鶏たちには元気でいてもらわないといけない」(寿也さん)。一羽、一羽をしっかりと管理できるのが〝小さな養鶏所〟の良いところだと言う。卵を買った人たちからは「今まで食べた卵の中で一番うまい」「卵かけごはんにするとめっちゃおいしい」などと声をかけてもらい、「一番の励みになる」と笑顔を見せた。




























