かるた名人位決定戦 岸田さん惜敗

2009.01.15
ニュース

 小倉百人一首競技かるたの日本一をかけた 「第55期名人位決定戦」 (全日本かるた協会主催) が10日、 近江神宮の近江勧学館 (滋賀県大津市) で開かれ、 篠山市乾新町出身で篠山かるた協会所属の岸田諭5段 (21) =大阪府箕面市在住、 大阪大学医学部4年=が挑戦者として出場。 10年間 「名人位」 のタイトルを防衛している永世名人の西郷直樹6段 (30) =東京都、 早稲田大かるた会所属=に挑んだ。 1勝3敗で敗れたが、 「来年も名人位戦のチャンスが来たら、 今回以上に活躍したい」 と、 次を見据えていた。
 先に3勝すれば勝ちの名人位戦。 同大会に兵庫県では初の出場者となる岸田さんは1回戦、 西郷名人を相手にスピード感のある攻めがるたを展開し、 4枚差で勝利した。 2回戦は、 序盤から名人のペースで試合が進み、 8枚差で敗れた。
 1勝1敗で迎えた3回戦。 プレッシャーからか、 名人は序盤から 「お手つき」 をしたり、 タオルで汗を頻繁にぬぐうなどし、 時おり険しい表情を見せた。 対する岸田さんは、 落ち着いた表情で淡々と自陣の札を減らした。
 しかし、 中盤から調子を取り戻した名人が追い上げを見せ、 形勢が逆転。 さらに岸田さんは終盤で、 相手陣の札を 「お手つき」。 自陣9枚、 相手陣2枚と追い込まれた。 それでも岸田さんはあきらめることなく攻め続け、 差を縮めたが、 5枚差で敗れた。
 名人は勢いを保ったまま試合を進め、 11枚差で岸田さんに勝利し、 史上初の11連覇を成し遂げた。

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