必修科目なのに大学入試には不要な科目を履修させていなかった高校が続出し、問題になっている。

2006.12.19
丹波春秋

必修科目なのに大学入試には不要な科目を履修させていなかった高校が続出し、問題になっている。『ゆとり教育』のため週5日制になり、総合学習など新たな時間が設定されて、受験のためには全くゆとりがないという矛盾が極まった感がする。▼大学側が受験科目を絞る一方で、一層難解な問題を出して選抜するという傾向が続く限り、解決策は容易ではない。やはり、多様な科目について基礎的な理解度を測るというセンター試験の趣旨を、もっと重視すべきではなかろうか。▼私大も含め全大学がセンター試験を採用し、一定レベル以上の生徒を対象に、難解な二次試験ではなく、「何を学びたいのか」という論文を書かせたり、面接を綿密に行うことに主体を置いて選考する。▼確かに、17、8歳できちんとした考えを持てる生徒はそう多くなく、正確な選抜はできないかもしれない。そこで、入学してからの試験を格段に厳しくし、成績の悪い者は容赦なく落第させる。その代わり成績が良く意欲のある学生なら、やはり面接に基づいて、相互に他校から自由に編入可能なシステムを作る。▼つまり、「18歳までの詰め込み勉強次第で学歴が一生つきまとう」という構造を崩し、何度でもチャンスを設ける。これこそ、安倍首相の唱える「再チャレンジ」につながると思うのだが。(E)

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