豪雨災害の倉敷市真備町へ ボランティアルポ・上/兵庫・篠山市


写真・道路の脇に積み上げられた家財=岡山県倉敷市真備町で

 平成30年7月豪雨で甚大な被害が出た岡山県倉敷市。その中でも2000棟超が全壊し、多くの人が命を落とした真備町にこのほど、兵庫県の篠山市社会福祉協議会が2便の市民ボランティアバスを派遣した。記者も一ボランティアとして支援作業に従事しながら、現在の状況を取材した。

 岡山県南部のまち、倉敷市。その北西部に位置するのが真備町だ。今月7日に派遣されたボラバス第2便には、篠山市民ら32人が参加した。

 篠山市を出発し、休憩をはさみつつ2時間半かけて到着した倉敷市災害ボランティアセンターで派遣先を確認し、一路、真備町へ。山中を進む車窓からは、しばらく何の変哲もない景色が広がっていたが、「歴史と文化のまち 真備」と書かれた看板を過ぎた辺りから様子が一変した。

 元は水田だったであろう場所が土と砂利に覆われ、水たまりも確認できる。視線を上げると、民家が立ち並んでいるものの「黒い」という印象を覚えた。玄関の扉や窓、カーテンがないためだ。辺り一帯が同じ状況で、どの民家も2階部分まで水に貫かれていることがわかった。

 道の両脇に被災した家の家財などが延々と積み上がる状況に息をのみながら、現地に到着し、二手に分かれてセンターに依頼のあった場所に向かった。

 車を降りると被害がさらに鮮明にわかる。家の中は2階まで骨組みがむき出しになっており、人けがない。枯れた稲が横たわる水田は堆積した泥が炎天下で乾いてひびが入り、ヘビのうろこのような模様を浮かび上がらせていた。

 

写真・浸水被害を受けた地区=岡山県倉敷市真備町で

 「この集落だけで5人が亡くなったんです」

 派遣先で待っていた女性(62)が当時のことを語ってくれた。女性の母(88)が独りで暮らした平屋の家も建物こそ残っているが、一度は水に沈んでおり、とても住める状態にはない。

 豪雨の際、午後11時ごろに市から避難勧告が出され、女性は足が悪い母の元へ駆けつけた。母を連れてアパートの3階にある自宅へ逃げて難を逃れたが、深夜から明け方にかけて小田川や、小田川に合流する高馬川で堤防が決壊。約4000棟に被害が出たうえ、子どもを含めた51人が犠牲になった。

 女性は、「前日の勤め帰りに見た空の色が見たこともないほど異様で、絶対、何かが起きると思った。母は助けられたけれど、知り合いの女性は足の悪い夫をかばうように、折り重なって亡くなっているのが見つかった」と目を赤くし、「『晴れの国おかやま』と言われて、災害も少なかった。みんなおごりがあったんだと思います」と悔やんだ。