勉強の本質

2011.11.05
丹波春秋

 算数の問題をひとつ―。「長さが80メートルの特急電車が時速90キロで走っています。この電車の先頭がトンネルに入ってから通り抜けるのに25秒かかりました。このトンネルの長さは何メートルでしょう」。▼丹波地域の小学生が、漢字や算数の問題に挑む「チャレンジ漢Q算Q」がこのほど行われた。先の問題は、6年生の算数の一問だ。スポーツだけでなく、勉強でも切磋琢磨する機会をと、初めて行われた事業。主催者の予想を上回る小学生たちが参加した。みずから参加を申し出たならば、結構なことだ。▼先の文章題。小学生当時、頭を痛めた人が多かったのでは。『なんで、こんな勉強をしなければいけないの』と恨めしく思った人もいるだろう。私もその一人だ。▼『リング』などの代表作があり、今月11月26日、丹波市で開催の教育フォーラムに来られる作家、鈴木光司氏に『なぜ勉強するのか?』という著書がある。その中に「勉強することの意味を子どもから訊かれ、親が合理的に答えることができれば、勉強は無意味ではなくなります」とある。▼鈴木氏は、理解力、想像力、表現力を養うのが勉強の本質とするが、これをそのまま鵜呑みにしていては子どもへの説得力に欠ける。自分なりに練りつめた考えが必要だろう。さて、冒頭の問題。答えは545メートルです。(Y)

 

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