異常気象

2012.02.16
丹波春秋

 今冬、日本列島の記録的な寒さは、北極の海の温暖化が原因という。海洋研究開発機構が、スカンジナビア半島の北東、バレンツ海の結氷が少なく、ここで発生する低気圧が通常より極地の方へ北上。シベリア高気圧が北寄りに拡大して猛烈な寒気を日本にもたらしたと発表した。▼スウェーデンに住む高見幸子さん(丹波市出身)のメールによると、ストックホルムは異常な暖冬で1月半ばまで雪が積もらなかった。しかしポーランド、イタリアなど中欧から南欧にかけては死者が出るほどの寒さとか。▼気候変動には大気や海流など様々な要因がからまり合うが、極地の温暖化が相当の速度で進んでいるのは事実のようで、地球全体がじわじわと深刻な影響にさらされつつある。▼この問題を扱った映画「デイ・アフター・トゥモロー」は、南極の氷床がペキッペキッとひび割れするシーンで始まり、ニューヨークの高層ビル街がすっぽりと氷雪に埋もれて、米国民が集団でメキシコとの国境の川を渡るところで終わっていた。▼「異常気象を世界の政治家は知っているのに、二酸化炭素の削減対策にはなかなか合意できませんね」と高見さん。日本政府も「90年比25%削減」の国際公約をしたものの、目の前の被災地復興や原発事故対策に追われ、どこかに押しやられてしまった。(E)

 

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