心のエネルギー

2012.03.17
丹波春秋

 市島で開かれた「3・11」の行事で、気仙沼市の小原木小学校の児童や教諭が出した文集を手にした。丹波市内の小学校が被災地の学校に送ったメッセージの返礼として届いたもので、「支援へのお礼と感謝の文集」と題されていた。6年の子が書いた文章にこうあった。▼ノートや体操服、歯ブラシやハンカチなどの支援物資が国内をはじめ海外からも届く。家族や友達との間で「今日はこれが届いたよ。うれしいね」といった会話を交わす。「支援物資を通して家族との絆が深くなったと思います。会話の数も増えた気がします」と、文集にあった。▼「皆さんからいただいた温かいメッセージを心の支えにします」「みんなで助け合う気持ちを忘れず、がんばります」「困っている人がいたら、進んで助けます」。こんな言葉も文集にあふれていた。▼子どもたちは多かれ少なかれ震災でつらい体験をした。にもかかわらず、前向きに乗り越えようとする姿勢が見られる、と6年の担任教諭は書いていた。「その原動力は、たくさんの方々に応援されていること、支えられていることの実感にあるのではないかと思います」。▼人は、人に支えられてこそ生きていける。苦難にある場合はなおさらだ。これからも子どもたちの心のエネルギーであれるよう、被災地を思い続けたい。(Y)

 

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