卒業式

2012.03.31
丹波春秋

 小学校の卒業式が近づいたころ、一通の手紙が本社に届いた。差出人は、進修小6年の久下萌々風(ももか)さん。便箋2枚に鉛筆でていねいに書かれている。用件は取材の依頼だった。▼担任の中川先生がこの春、退職される。それで卒業式が終わってから、先生には内緒で、先生の卒業式を開くことを親と一緒に企画している。よければ取材してほしいとの内容で、「私達にとっても、先生にとっても、心に残る卒業式にできないかと思って、お手紙を書きました。短い時間での卒業式ですが、心をこめて、おめでとうを送りたいと思っています」と、手紙にあった。▼中川先生には内緒のサプライズ企画だ。本紙記者も依頼主の意向に沿い、中川先生に気づかれぬよう学校に行き、取材した。その記事は、「教諭生活終え『卒業式』」との見出しで3月25日付の丹波市版に載った。▼久下さんらの学年は、新聞制作を学ぶために本社を見学したことがあり、その思い出が今回の取材依頼につながったという。本社見学が子どもたちとの縁を結び、心のこもる卒業式の取材依頼を受けたのは、私どもにとってもうれしい限りだ。▼今は、春。久下さんの手紙は、私どもにほのぼのとした春の風を届けてくれた。私どもも紙面を通して、春の風をみなさんに届けたい。(Y)

 

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