篠山市初の女性消防士 畑 詔子 (はた しょうこ) さん

2006.04.09
たんばのひと

 4月から篠山市初の女性消防士として着任した。 半年間、 三木市内にある全寮制の消防学校で研修を受けた後、 市内での勤務にあたる。


  「もともとは看護師志望でした。 そのために福祉科のある京都の高校に進学したんですが、 3年生のはじめに就職情報の掲示板で消防士の仕事を知って、 『これだ』 と思ったんです。 地域に密着した場所で仕事ができる存在なので、 調べれば調べるほどひかれていきました。 3日に辞令を受けたときは、 『感無量』 の一言。 本当にうれしい気持ちでいっぱいです」
  「女性が私ひとりということで常に不安はありますが、 消防署の職場はアットホームで温かいので大丈夫です。 消防学校での生活も、 先輩方は 『きついけど、 良い仲間ができるからがんばっておいで』 と励ましてくれました。 楽しみと心配が半分ずつです。 体力的にも精神的にも強くなって、 帰ってきたいです」
  「体力面で男性との差はありますが、 『女性だから○○はできない』 ということはありません。 かえって、 女性だからできることもあると思います。 知り合いから、 『救急車で運ばれたとき、 女性がいて安心したことがある』 という話を聞きました。 そういう役割もできるかな、 と思っています」
  「消防士になりたい気持ちを報告した時、 母親は心配してすごく反対しました。 でも、 一生けん命話したら分かってくれて、 今は家族みんなが応援してくれてます。 特におばあちゃんが喜んでくれています」
  「目指すのは、 『常に市民のことを考え、 相手の立場に立つこと』 です。 現場への不安や、 初の女性消防士ということで市民の方がどう思われるか、 という不安もありますが、 『明るく元気な消防士』 をモットーにがんばります」


 小柄だが、 はきはきした口調とまっすぐな眼差しには力強さがみなぎる。 採用試験の際には、 妹が手製のお守りと手紙を贈ってくれたというエピソードも。 先輩や同僚、 家族の温かいサポートを受け、 大きくて優しい消防士に育ってほしい。 篠山市西野々。 21歳。

(古西広祐)

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