丹波悠遊の森(柏原町)がそぼ降る雨に暮れる頃、レストランで句会が始まった。

2006.12.27
丹波春秋

丹波悠遊の森(柏原町)がそぼ降る雨に暮れる頃、レストランで句会が始まった。田ステ女俳句ラリーの10周年を記念した前夜祭イベント。▼ラリー選者の宇多喜代子、坪内稔典、山田弘子、木割大雄各氏が顔を揃えるという、全国でも滅多にない豪華句会とあって、丹波はもとより阪神からも大勢、50人が集まった。▼「青葉」などの題で各自1句出したのを、坪内、木割さんコンビの進行で、まず2句ごとの予選勝負。場内の反応を見ながら当意即妙、共倒れあり、敗者復活ありと、おう揚に進み、残った20余句から宇多、山田さんが絞り込む。落選が決まるごとに作者が名乗り出て、一言弁明。▼選者の句も皆どうしたことか落ち、「雨の日は雨の明るさ青葉山」、「青若葉今夜は怪傑黒頭巾」といったシックな、また不思議な句ばかり五句が残った。本記の方で見てほしいが、濡れた樹々の緑が闇に溶ける中、同好の心と心が溶け合った会場の雰囲気がほのかにでも伝わって来ないか。▼ロッジでの酒の席もはずみ、翌日のラリーはからりと晴れ渡った。「丹波が好きだから」と、ボランティア同然で一度も休まず来て下さった先生方のお陰で、このイベントが十年続いた。楽しくユニークだった記念句会の思い出を胸に、筆者ら実行委員会スタッフはまた歩み出す。(E)

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