篠山市内の19の小学校を7校から10校にする。5つの中学校を2校にする。そんな学校統合案を市議会の特別委員会がまとめた。学校の適正規模や配置の検討を目的に設置された同委員会が示した数字は、少子化の深刻さを改めて痛感させるものだった。▼同委員会の報告に、「平成17年の出生数が302人と減少したことに、驚きと不安を覚える」とある。歯止めのかからない少子化が、学校統合問題の引き金をひいている。▼ただ、学校統合と少子化の関係について気になる点がある。学校統合が進むと、遠距離通学を強いられる地域が出てくる。そうした地域に、子育て世代や若者がすすんで住もうとするだろうか。▼遠距離通学に対しては通学手段の配慮がされるだろうが、学校により近いところに住みたいというのが一般的な心情。となると、学校から遠い地域では、若い世代の流出が進み、子どもの数の減少が懸念される。これが市外への流出につながると、篠山全体の少子化はさらに進むことになる。▼とはいえ、子どもの成長を促す点で、小規模な学校が適当といえるのかという疑問もつきまとう。市内には複式学級の小学校が4校あるが、今後も増える見込みだ。できるなら学校統合は避けたい。そのためには少子化の解消なのだが、その有効な方策が見えてこない。(Y)