酒酔い運転が大きな問題になっているが、それと並んで「助手席の子供に気を取られ」、「カセットを操作していて」といった基本的な失態も跡を絶たない。▼そしてもう一つ怖いのは、居眠り運転である。先日、会合に出かける途中、にわかに睡魔に襲われ、停車して休もうと思いつつ、やはり遅刻はできないと、あくびをかみ殺して運転を続けた。▼すると、急に頭のてっぺんがふわーっとなって、気がついたら目の前に電柱。あわててハンドルを切り、交通量の少ない田舎道だったこともあり、ことなきを得た。ほんの一瞬のことだったろうが、しかし、ちょっと運が悪かったら、「園児の列に」などということになりかねず、そう思うとぞーっとして、眠気もいっぺんに吹っ飛んでしまった。▼実は20年ほど前、高速道路を走行中に眠くなって、この時もあやうくセンターのガードレールにぶつかりそうになった。以来、あくびが出始めたら必ず退避場所に停車して十分ばかり、うとうとするように心がけてきたつもりだが、時間ぎりぎりに行く時が、鬼門だ。▼飲酒運転は酒飲みに限られるが、居眠り運転は誰でも陥り、同様に悲惨な事故を引き起こす可能性がある。対策は、時間に余裕を持って出かける以外にない。当局には道路わきの停車スペースの整備も是非お願いしたい。(E)