先日、職場の若い連中とカラオケに行った。

2007.01.21
丹波春秋

 先日、職場の若い連中とカラオケに行った。中年おじさんの当方、若手達の歌う早口言葉のようなテンポの速い歌がとんとわからなかった。曲名も歌手も知らない歌ばかりだった。▼昔は違った。大人も子どもも口ずさむヒット曲があった。ところが今は、音楽の嗜好が多様化し、国民的な人気を得る歌がめっきり減った。名前すら知らない歌手が出演する「紅白歌合戦」の視聴率が低下しているのも、むべなるかなだ。▼大晦日、国中でこぞって見た紅白歌合戦は大げさに言えば国民的な行事であり、歌を核にした共同体が存在したことの証でもあった。国家的規模でなくても、それぞれの地域に固有の民謡があり、老若ともに民謡を楽しむことで共同体としての連帯感を強めた。しかし、もはや歌は、共同体を結びつける求心力を弱めた。▼では現代、共同体の求心力となるものは何か。その最たる一つは子どもだと思う。昔から子どもは地域の求心力ではあるが、痛ましい事件が多発し、丹波地域でも不審者が出没するなか、子どもを地域の核に置くことがいっそう求められている。▼地域の人たちが子どもの安全に目を配り、行動する。地域が心を一つにすることで地域の連帯は強まるだろうし、そして何より、その連帯は子どもを悲しい事件から守る最大の防波堤になるだろう。(Y)

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