味覚の秋を迎え、篠山商店街が観光客でにぎわっている。その市街地を活性化させるための事業母体となる第三セクター「株式会社まちづくり篠山」が28日に発足する。 同社が行う事業の指針となる「TMO(タウンマネージメント機関)構想」にはソフト、ハード合わせて29事業が盛り込まれている。構想どおりに事業が完成したとすれば、見違えるほどの街並みや、活気あふれる様子が目に浮かぶ。 現在、「TMO計画策定委員会」で緊急を要するもの、3年以内に実現可能なものから検討が進んでいる。ただ、関係者によると、これらの事業を行うための財源となる、収益をあげる事業をどう生み出すかが焦点になっているという。収益がなければ、構想や計画は前に進まない。一足飛びにはいかない現実を物語っている。 また、会社組織でありながらも、商店街に客を呼び込むだけが事業の目的ではない。商業者以外の住民も、自分たちのまちで大掛かりなまちづくりが始まろうとしているという認識をもち、積極的な参画が望まれる。 商店街が衰退しているといわれながらも、これだけのにぎわいがあるという地力は、篠山の大きな魅力だ。関係者からは「最後のチャンス」という意気込みも伝わってくる。歩みは遅くても、着実な計画実現を願う。(芦田安生)