観光客をもてなそうと、丹波焼窯元の『おかみさん』たちが協力し、男性と力をあわせさまざまなアイデアを出している。店番をしたりお客を迎えたりするのは女性が中心。そこで、女性の力でまちを盛り上げようというもの。今田地区で5日まで開かれている、「春のギャラリーめぐり」に向けた準備の様子を取材したが、みなさんの意気込みがひしひしと伝わってきた。 例えば、窯元が軒を連ねる「やきもの通り」へ、多くの人に来てもらおうと思っても、通り沿いには休憩所や公衆トイレがない。歩いていれば疲れてのども渇くし、トイレもなければ困る。そこで、期間中はお茶や軽食が取れる「お休み処」を開設。トイレは各窯元で気軽に使ってもらうようにしている。準備を進めた窯元の女性の一人が、「自分もどこかへ出かけたとき、『あればいい、なければ困る』というものを、お客さんの立場に立って考えた。一軒や二軒ではできないが、みんなで集まったからこそできました」と話していた。 美しい景色やおいしい食事、特産品などが人をひきつけるのはもちろんだが、迎える人のあたたかさが一番、心に響く。当たり前といえばそうなのだが、今の時代、こういう心遣いこそまちの魅力になると思う。みなさんもおかみさんたちの優しさに触れに、出かけてみてはどうだろう。(坂本守啓)