もう一つの「高速道路」

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 「ブロードバンド」を言い換えれば、「情報の高速道路」になるだろうか。正式な別名は「高速大容量回線」だから、多くのものを素早く伝えるという意味で、やはり高速道路に例えるのが適当だろう。運ぶものが、「人や物」か、「情報(データ)」なのか、ということだ。 しかし、この「情報の高速道路」の整備は、現実のそれと異なり、企業が主導している。つまり、「人口、利用者が少ない地域は後回し」。氷上郡広域行政事務組合が、ブロードバンドの利用希望者数を調査を始めるのは、「サービスを求める、多くの住民の声」を背に、企業に働きかけるためだ。「数は力」と言うとイメージは良くないが、民間企業にサービス開始を求めるには、やはり具体的な数字が効果的な手段だろう。 現実の高速道路のメリットは、今さら説明するまでもない。物流、行楽、通勤、田舎に住む我々の生活にあらゆる面で力を発揮している。社会の情報化が進んでいる今、「情報の高速道路」にも同様のメリットが期待される。 しかし、何度も書くが、この「道路」整備は企業主導。都市部で着々と、超高速の光ファイバー網が整備されていく一方、氷上郡及び丹波には、既存の電話回線以外に主だった情報基盤がないという現実がある。今、声をあげないと「差」はますます開いていく。(古西広祐)

関連記事